地元の商店街の角に、
しゃれっ気ひとつない、無愛想なおじいさんがやっていたお花屋さんがあった。
お花の種類も少なくて、おじいさんが市場からそのまま持ってきたという感じなお店。
時々、立ち寄って、
「このバラください。」
というと、無愛想に、適当な数のお花を抜いて、
「はい、500円。」
なんていう、おじいさんだった。 ラッピングなんてしないし、無造作に紙でクルクルっと巻いて
輪ゴムでとめておしまい。
昨年の後半から、お店が閉まったままだったので、ちょっと気になっていた。
繁盛しているとはいえない、こじんまりとしたお店だったので、
たたんでしまったのかと思っていたら、
今日、久々にシャッターが上がっていた。
バラを眺めていたら、
「これ、300円でいいよー。持って行きなー。」
紙でクルクルっとバラを包むおばあさんの後ろに、なじみのあるおじいさんの写真とミカンとお湯のみが。。
「あの・・・失礼ですが・・。」
と写真を指したら、
「あぁ、去年の10月に亡くなっちゃったよ。 ずっとお店閉めてたんだけど、息子が続けるっていうから、
最近またお店あけたんだよ。 みんな、じいさんじゃなくて、若いのがやってるから、店の主が変わったのかと思うらしくてね。 じいさんのときによく通ってくれてたお客さんが、じいさんの写真でも飾っとけ、そしたら、みんなが、じいさんのお店だと分かるからって言うからね。」
と、明るくしゃべりだした。
私が、おじいさんの時代から、お花を頂いていたことが嬉しかったらしい。
たったの300円でこんなに。
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